phoque's word

鶴は千年、亀は万年、シーラカンスは二億年。

透析患者のひとりとして。

例の長谷川ナントカさんの透析患者は自業自得云々について。

 

あれはいろいろと間違った知識で書かれているので、案の定突っ込まれているわけなんですが(だいたいそこらへんは突っ込まれ済)、あまり出てこないことについて。

 

あそこでやり玉に挙げられているのは、主に2型糖尿病の合併症としての透析患者なわけですが、一方で文末にはエクスキューズとして「遺伝で透析になった人を責めるわけではない」的なことが書いてある。

 

これ誤解してる人が本当に本当に多いのですが、糖尿病で遺伝的要因が大きく作用しているのは、1型ではなく2型です。同じように不摂生をしていても糖尿病になる人とならない人がいる(よく「奇跡のデブ」とか言われて巨デブなのに糖尿病と無縁な人がいますよね)のは、なる人には遺伝要因が働いているからです。

(日本人はこの遺伝要因を持っている人が他の地域より多いといわれています。それゆえ、ある程度太ると糖尿病になってしまいそれ以上太ることがなく、欧米人に比べて200キロ超みたいな巨デブの比率がとても低い)

若いうちに発症することが多くかつては「小児糖尿病」とも言われていた1型糖尿病のほうが、むしろ遺伝の影響は少ない、と言われています。

おそらく長谷川某が文末の注で例外としてかばいたかったのは1型糖尿病のほうだと思うんですけどね。

 

あたしは自分が節制していたかと言われると確かに胸を張れるわけではありませんが、しかし自分よりよほど不摂生をしていてかつ自分より太っている人がコレステロールで血液ドロドロなのに糖尿だけは全然予備群でさえない、というのを結構知っているので、不公平とか理不尽とかを感じてますし、実際そういう透析患者って少なくないと思うのですよ。