phoque's word

鶴は千年、亀は万年、シーラカンスは二億年。

大相撲の例の事件についてなど

まず、「貴乃花部屋では外国人力士は入門させない」という方針があったにもかかわらず、その素質にほれ込む&本人が貴乃花をものすごく尊敬していた、という事情での貴の岩の入門。次に、貴乃花親方は他の部屋の力士とあまり深く交流するのをよしとしていなかった(これは主に八百長疑惑をかけられることを避けるとかそういう意味合いらしい)。特にモンゴル人力士の間では星のやりとりがされていたという噂は結構昔からあるので、そういう場での付き合いを基本的には禁じていた。

で、鳥取の事件の夜には、貴の岩は「高校の先輩に呼び出され」、それがモンゴル人力士の集まりであることは知らずに、親方にも「先輩に呼ばれたので同窓会に行く:と告げて行ったら、そこに横綱含むモンゴル人力士数人がいて、帰るわけにもいかなくなってしまった、というような話のようです。

そんななかで暴力を振るわれた。日馬富士がやったということになっているけど、他の力士は証言によれば「止めようとしても止められなかった」とのこと。しかし本当に一人でやって他に(複数の横綱がいたのに)止める人がいなかったのって不自然。で、何で殴ったかなんていうのは本当にどうでもいいことで、とにかくそこで貴の岩は負傷した、と。

最初は、同窓会に出たことになっていたのにモングル力士の集まりでしかもそこで横綱に殴られた、とは親方には言えず、我慢して巡業には出たものの、頭の傷は思ったよりひどいし、耳の聞こえが悪くなったりいろいろ症状が出てきた(頭打った場合にはあとから症状が出てくるのはよくあること)、というわけで隠せなくなって親方にも報告。

…というのが事件そのものについてのだいたいの流れっぽい。ここに、錦糸町で「これからはおれたちの時代」と言っていたのを誰かが白鵬だか日馬富士だかに「お前たちの時代は終わった、と言っていた」と告げ口したとかいう話がはいったりとか、横綱が話をしている最中にスマホをいじってた、とか、あたかも貴の岩の側にも問題があるかのような報道が最初のうちたくさんあったわけですが、いやそれら関係ないから。

 それと、警察に被害届を出して相撲協会には届けなかったという貴乃花親方だけど、場所中のトラブルならまだしも、巡業先でとはいえ個人的な飲み会で起きた事件について警察に届けるのは当然でしょう。診断書が2通というのも、途中で診断が変わることなんてよくあることで、別になんら不自然なことじゃないし、診断書を書いた医師のコメントとかいうもの(骨折も髄液漏も「疑い」だけ、まるで重傷だったかのような話になって戸惑っている、的なやつ)についても、医師本人ではなく相撲協会が発表したコメント。それから、旭鷲山のところに貴の岩の兄から送られてきたという頭皮が何か所もホチキス止めされている画像とか見る限り(あれが全然赤の他人のだっていうことも可能性としてないことはないけど)、「休場する必要はなかった。軽傷」というのは結構無理がある話なんじゃないのかなあ。

 相撲協会が自分のところで調査したいのはまあ当然だけど、それをするために貴乃花親方に被害届を取り下げさせる必要はないというか、むしろ警察に十分調べてもらって、外形的な事件の形が明らかになってから、相撲協会はそれでは不十分な部分(動機とか)や今後どうするかについて話しあうべきではないのかな。

 そして、千秋楽の白鵬の万歳三唱とか、「日馬富士と貴の岩を土俵にあげてあげたい」とかは、やっぱりなんか不自然。